木造住宅の耐震補強の・・・

こんばんは。 イッちゃいましたね、リーマン・ブラザーズ。 あんなに大きな会社でも経営破たんしてしまうんですね・・・、怖い世の中です。 この先、日本においてどのような影響が出来るのかとても心配な、岩永です。

 

今日は、お昼から『木造住宅の耐震補強のポイントと実務講習会』というのに行ってまいりました。 内容はもろに耐震補強工事の実務的な事項ばかりだったのですが、その中で講師の方がちょっと面白かったですね。

なぜかというと、基本的に耐震補強を行う場合『耐力壁』が主役になってくるのですが、この講師の方は「コミセンが一番強い」とか、「伝統工法が免震性に優れている」とか仰っておりました(笑)

伝統工法というのは、『耐力壁』を使わないことが前提のはず。 ましてや、講義の中で筋交や金物の正しい使い方、施工方法を説明しているのにもかかわらず、伝統工法やコミセンの方が良いみたいなことを言うなんて・・・、面白くありませんか? 話が矛盾しているというか、なんちゅうか・・・(汗)

しかし、伝統工法やコミセンを良しとする考えには私も同意します。 この構造の専門家である講師の方も仰っておりましたが、「歴史が違う。 金物はまだ歴史が浅いし、この先何年持つかわからない。 しかし、コミセンなどを使う伝統工法は何百年もの歴史があるし、実績もある」みたいな。 

なんとなく説得力がありますよね。 

現在の木造に用いる工法のほとんどは耐力壁(筋交、パネル工法等)に強度を依存します。つまり、耐力壁の部分に力(地震力や風圧力)を集中させて持たせる工法です。 ですが、耐力壁の配置、強度バランスが悪いとその建物はゆがみが生じ、崩壊に向かう恐れがあります(←逆に言うと、きちんとバランスの取れた配置、強度計画をしていれば問題にはなりません)。

しかし、伝統工法は筋交や構造用合板等を用いた耐力壁を持たず、ヌキと土壁で建てることになります。 この工法は、柱や梁、ヌキや土壁で大抵の力を負担します。 このとき土壁はもろく崩れていくのですが、それは振動を吸収するために起きることで、建物本体が崩壊しているわけではありません。 

現在の工法が耐震構造ならば、伝統工法は免震構造となりますかね。 それぞれにメリット・デメリットがあり、どちらがどうというつもりは無いですが、来年から施行される瑕疵担保履行法により義務付けられた、保険を扱う保証会社がどういう判断をするのかにはとても関心があります。 

さらにこの講師の方は、KD材(人工乾燥の木材)は木材の内部(芯の部分)の細胞に良くないということも仰ってましたね・・・。 木材内部に亀裂等が生じ、強度不足になると。 う~ん、確かにそのようなデータもあるみたいですが・・・、そこまで言うかみたいな。{←当社ではAD材(自然乾燥の木材)を推奨してります。}

いろんな意味で面白い講習会でした。 当社が行っている【古材(kozai)】事業にも通じるところがあると思います。 なんせ【古材(kozai)】は究極の乾燥材なんですから。

ちなみに、お家のリフォームを行う場合、耐震診断を行いお役所に申請をすると、最大60万円の補助金が出ます。 詳しくはこちらへ。 

予算的な問題があるときは申請してみるのもひとつの方法かもしれませんね。 

今日も長いブログとなってしまいました。 最後までお付き合いいただいた人に



 

 

 

 

 

2008/09/16