超長期住宅関連講習。

こんばんは。 痩せたことにより、持っていたスーツのほとんどがブカブカになってしまった、岩永です。

嬉しいような、悲しいような感じですけど、ほとんど全部をお直しに出さないとだめかもしれません・・・(涙) ま、太って着れなくなったというよりは、マシなんでしょうけど(笑)。

 

さて、昨日は長崎建築士会の主催による【超長期住宅関連講習会】というものに参加してまいりました。 最近ものすごく興味のある『超長期住宅』。 何を基準に、またどのようにして『超長期住宅』とするのか・・・。 住宅建築に携わっておられる方ならばとても興味のあることだと思います。 よって今日は、この講習会での内容を、私なりの思いを交えながら書いてみたいと思います。

そもそもこの『超長期住宅』というのは、福田前総理が住宅の長寿命化を図る一環として掲げたもので、『200年住宅』といえば皆さんもわかり易いのではないでしょうか。

ちなみにこの『200年住宅』の200年という数字。 実は何の根拠もないというか、あくまでもシンボリックな数字でしかないそうです。 「200年くらい持てばいいよね」的な感覚でのネーミングだと、講師の方は仰っておりました。 

現在、日本においての減失住宅の平均築年数は、約30年程度しかありません。 アメリカでは約55年、イギリスにおいては77年だそうです。 このことからわかるように、気候風土などが違うにしても、日本の住宅は新築されてから減失するまでの期間が、欧米諸国に比べて非常に短いですよね・・・。 

また、既存住宅流通シェアについても日本の13.1%に比べ、アメリカが77.6%、イギリスにおいては88.8%と約9割が流通しているそうです。 ビックリですね~。

この『超長期住宅(200年住宅)』の考え方というのは、少子化をにらみ、また地球環境問題等の諸問題をふまえて考えられたものだと解説されておりました。 造っては壊し、造っては壊しという時代から、長期にわたって使用可能な質の高い住宅をストックするという方向への転換・・・。 

私は悪くない考えだと思います。

ただ、いきなり『200年』という途方もないことを言い出すのはどうなんでしょうか・・・。  別に80年でも100年でもいいじゃないと私は思います。 家というのは、大事に思う気持ちが住まい手側にも造り手側にもあれば、自ずとその家の寿命というのは長くなるもの・・・。 

その家を大事に思う気持ちが3代続けば、『200年住宅』になり得ます。 いくらものすごい構造で、優れた工法であっても、そこに住む人がその家を大事にしなければそんな長くは持たないと思います。 

家には労わり(メンテナンス)も欠かせません。 これがないと長持ちしません。 だから、造り手側もその家をどのような工法、構造で建て、どのようなメンテナンスをしたのか、その履歴を残すことも大事になります。  病院のカルテみたいなものですね・・・。

 

今回の講習で頂いたテキストに載っていた『長期優良住宅に求める要件のイメージ(木造戸建住宅)』をご紹介します。

構造躯体の耐久性・・・数世代にわたり使用可能
構造躯体の耐震性・・・大規模な地震の後、必要な修復をすることで使用を可能
変化に対応できる空間の確保・・・居住者のライフスタイルによって変化等に応じた変更が可能
長期に利用される構造躯体において対応しておくべき性能・・・断熱性能等の省エネルギー性能の確保、将来のバリアフリー改修に対応できるよう必要なスペースの確保
内装・設備の維持管理の容易性・・・躯体に比べて対応年数の短い内装・設備について維持管理を容易に行なうことが可能
計画的な維持管理・・・定期的な点検・補修に関する計画を策定
住環境へ配慮・・・住環境に関する地方公共団体が行なう各種規制・誘導措置に沿って、良好な住環境を確保

具体的にはもっと細かいことを要求してくるんでしょうが、大枠はこんな感じだと思います。 可変性については微妙ですが、その他の事項については普通の家においても当たり前のような気がします。 

 ん?ということは、当たり前の家を当たり前に建てていなかったということなんですかね・・・。 う~ん(汗)

ある大工さんなんかは「俺が建てた(造った)家は、俺が生きているうちは壊れん。」といってましたが、そのくらいの自信と誇りを持って家づくりしてもらえれば、当たり前の家ができるのかもしれませんね(苦笑)。

 

今回の講習で、技術云々も大事ですけど、それ以上に『家に対する思い』というのがいかに重要なのかと改めて感じさせられました。 またこのような機会があればぜひ参加したいですね。 

ということで、今日はこの辺にしときます。 

 

 

・・・相変わらず長いなぁ~、俺のブログ。

では。

 

超長期住宅先導的モデル事業の評価結果についてはコチラ

2008/09/30