古材

こんばんは。 毎度お世話になっております、岩永です。

皆さんは、200年後の家って想像できますか? また、150年たった家に新たに住みたいと思いますか? 今現在、住宅業界では『200年住宅』という超長期の住宅が考えられています。 これは私の勝手な解釈ではあるんですが、国が掲げる『200年住宅』というのは地球環境に配慮するために、今までのようなスクラップ&ビルドという考え方から、一度建てた住宅をなるべく長く使い、解体時に出る廃材をなくす、という目的から生まれた言葉だと思います。

『200年』という言葉自体、あくまでもシンボリックなものでしかないとは思いますが、仮に家が200年もったとしても孫の代までそこに住み続けることはほとんどないと思います。 もし私の父親が200年持つような家を建てて、「この家は200年持つからここに住め」と言われても、ちょっと考えますよね。 もしそうなるとしても、私が家族を持って家を欲しくなる時はたぶん両親は健在でしょう。 そうなると二世帯住宅となってきます。 医療が発達して、長寿命化がもっと進めば三世帯まで住まなくてはなりません。 そうなるとどこまで家が大きくなることやら・・・(汗)

もちろんこの『200年住宅』を考えた方も、そこまでは考えていないとは思います。 200年持つような住宅を造って、中古住宅として流通すればいいくらいの感じだと思います。 私もその方向性は間違ってないでと思います。

ただ現状は、中古住宅市場がそこまで確立してはいないと思います。 ハウスメーカーさんや、パワービルダーさんたちは躍起になってこの『200年住宅』を開発しているみたいですけどね・・・。

私としてはまず、中古住宅市場をしっかりと構築をしてからかなぁと考えますね。 実際この『200年住宅』はイニシャルコストが相当かかるでしょうし、資産価値も高くないと売れたとしてもマイナスにしかならない。 しかし現在の市場(中古住宅)で言えば、中古住宅はかなり資産価値は低いはず。 人の住んだ(考えた)家が100%自分の感性にマッチするとは限らず、必ずいくらかのリフォーム工事は発生するでしょう。 となると、いくら良質の家であっても、コスト的にはかなり掛かってしまいます。 ということは市場としては成り立たないですし、誰もそんな家は建てないでしょう。  ストックがなければ商売としては成立しにくいですよね・・・。

そこで私が考えるのは、家に使う部材をなるべく長く使うということ。 中古住宅全体に価値がなくても、その部材ひとつひとつの価値が高ければ売れるはず。 そうすれば多少高くてもメリットはあるわけで、お金をかけても良さそうな気がします。 

例えば、『当社で建てた木造住宅の柱や梁については解体時に買い取ります』、みたいな(笑)

アリだと思います。

当社が販売している『古材(kozai)』は、この買取システムがあります。 一度使われた古材に対して、解体時に引き取るというシステム(もちろんそれ相当の条件はありますが・・・)です。 当社も買い取るわけですから粗末な商品は販売できないですし、お客様にも安心してご購入していただけると思います。

『200年住宅』、これから新しく200年と考えるだけではなく、今あるものをどうやって200年持たせるかと考えるのもアリかなと思います。 それが家全体なのか、柱一本なのか。

皆さんならどう考えますか?

 

では。

2008/12/20