木造住宅の基本構造

こんばんは。 巨人がまた勝ったみたいです。 引き分けを挟んでの6連勝とのこと。 スバラシイ…ですね(笑) この調子で、年間100勝(←ありえんかな)を目指して欲しいと思っている、岩永です。

 

さて、今日はちょっとお堅いお話。

ごく一般的な木造住宅において、設計段階で構造的に気になるところ(←気をつけるところ)として、『重心』や『剛心』といったものがあります。 重心とは、家の平面的な中心を言い、剛心とは、水平力に対抗する力の中心を言います。 また、この重心と剛心の距離を偏心距離と言い、この距離が大きいほど家は倒壊しやすくなり、 できるだけこの距離を小さくすることが大切になります。 ちなみに、この距離(←重心と剛心の距離)を数値化したものが『偏心率』となります。 この偏心率(←数値的に0.30以下にし、0.15以下にするのが理想的)が小さい家ほど、「ねじれ」が少なく、地震にも強いと言えます。 

次に耐力壁量やバランスについても考えます。 筋交や構造用合板などで構成される壁を『耐力壁』といい、耐力壁は地震や台風などの強風に対抗して、家を倒壊、変形から守る大事な構造部になります。 この耐力壁は、バランス良く配置することが重要で、むやみやたらに配置すればよいというものではなく、配置のバランスが悪いと、地震や強風時に家のひずみ、または倒壊の原因となってしまいます。 この耐力壁のバランスは、先に述べた偏心率によって数値化され、その数値が小さいほどバランスの良い配置となります。

また、床面積等によって計算される必要壁量(←法令によって定められている、必要な耐力壁の量)に対して、設計された耐力壁の有効長さがどれくらいあるかの割合(壁量安全率)を求め、1.0を下回らないように検討しなければなりません。 それから『壁心率』というのもあって、この壁心率も偏心率と同様、建築物の構造的な不安定さを表し、なるべく、この値が小さくなるような設計を行う必要があります。

ふー(←一息)。

耐力壁や柱の上下階の位置についても考えなければなりません。  上下階の耐力壁や柱の位置はできるだけ一致させることが大切です。 もっと言えば、半数以上の柱を一致させることが理想的です。 さらに、『直下壁率』を0.3以上の数値(←すべて一致すれば1.0)にするように、2階の耐力壁の全長に対する、1階の耐力壁上に位置するものの長さの割合を考えなければなりません。

 

上記に述べた内容は、ほとんどがリンクしていて、ほぼ同時に考えなければなりません。 もちろんお客様のご意向というのがあって、平面計画(←基本プランニング)の段階からいきなり構造のことを言ってもしょうがないのですが、設計者(←プランニングをする人)は少なくとも、構造のこと(←上記のことすべてではなく、壁等のバランス…)を念頭におきながらお客様のご意向を基に、プランニングするべきかと思います。 よく失敗しがちなのが、こういったこと(←構造等)をあまり考えずにプランニングを行い、いざ実施設計の段階になると「構造上の問題がありまして…」なんて言われてまたプランのやり直しみたいな…(汗) 

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法的なこと、構造的なことはホント難しいです。 私も日々勉強ですね(冷汗)

 

私がよく思うのは、『Simple  is  Best.』。 シンプルな間取りほど、使いやすく住みやすいし、構造的にも無理のない家になる。 また、『飽き』もきにくいかなと。

私がプランニングするときはできる限り、シンプルな間取りになるように心掛けています(←つもりです…)。 また、当社には素敵なCADソフトがありまして…(→機械に頼るんです…)、『壁量安全率』、『偏心率』、『壁心率』、『壁直下率』が計算可能です。 

では。

2009/04/16