住宅ローンのお話1

こんばんは。 先日までの寒さが、昨日今日は和らぎ日中は幾分気持のよい感じでした。 しかし、こういう季節の変わり目に、特に風邪をひいてしまう、岩永です。

 

最近、一般住宅がちょくちょく競売に出てきている現実を、皆さんご存知ですか? これは旧住宅金融公庫(←現住宅金融支援機構のこと)時代に住宅融資で実施された『段階金利制度』の問題点が、景気後退と相まって08年以降に表面化したことによるものだそうです。

この『段階金利制度』という制度は、貸し付けから10年間の金利を通常より低く設定し、11年目から金利を引き上げる仕組み(←銀行さんの住宅ローンの仕組みが似ています。)です。 05年にこの制度は廃止されたそうですが、利用者のピークは1998年で、この時期に申し込んだ利用者の返済金利が10年後の08年に大きく引き上げられました(←4%に)。

例えばモデルケースとして、98年当時、借入金額3500万円、35年返済、ボーナス返済なし、当初10年間の金利2.2%の当初の返済額をかなり少なくした『ゆとり返済』とした場合、98年時点での毎月返済額9万6231円は11年目の現在、約1.6倍の15万2366円(←当初10年の低金利が終わり、4%に上昇したため。)となります。 10年前に予想した昇給が実現していなければ、とても『ゆとり返済』とは言えません。

現在、銀行などの民間金融機関が提供する5年、10年と一定期間だけ超低金利で、その後は変動金利という商品があります。 しかし、これは先に述べたケースと同様に、当初何年間だけは金利が安く、その低金利期間が終わった後は、金利が上昇するかしないかはわからない住宅ローンとなっております。 金利の上昇局面を迎えたそのときに、それに比例して収入が上昇しているとは誰も保証できません。

ただし、現在の不景気下で、金利が上昇すると思う人はなかなかいないのも現実で、住宅ローンを借りる人のほとんどが10年程度の固定金利でその後変動金利となる期間固定選択型を選び、景気動向、金利の変動状況から長期間固定型に借り換えをする方が多いようです。

しかし、金利の上昇時にうまく切り替えるタイミングは難しいようです。 収入の上昇があまり期待できず、しかも現時点で子供が小さいご家庭(←今後、学費等の養育費が増えそうなご家庭)には、最初から全期間固定型を選ばれた方が無難かもしれませんね。

つづく。

2009/11/06