旧早川家



諫早市指定有形文化財(建造物)の旧早川家住宅です。 この建物は、明治7年(1874年)に元諫早家家臣の木下 助内氏が自邸として建設し、その後長男の木下 吉之亟氏をはじめ、代々ご子孫がお住まいになられていたそうです。

また、同氏の娘婿、早川 員氏が入居され第9代諫早市長を務められたため『市長邸』の愛称で親しまれ、早川氏の娘婿、荒木 義人氏のご好意により当市に寄与され、移築・復元されました。

建物の概要は、木造2階建て。 2階の大屋根は寄棟の茅葺です。 その2階を取り巻くように配置されている1階の下屋は棧瓦葺になっております。



 

最近の住宅ではいかに採光を取り入れるか、ということに目が行きがちです。 ですが、古民家に見られるように、深い軒や広縁を介して得られるやわらかい光というのもまた良いものですね。 



 

現在の住宅の殆どが、規格化された製品で造られております。 たとえばこの写真のように、梁や柱が曲がったままでもそれに合わせた壁をつくり、そこに建具をはめ込むといった技術力は必要ありません…。

「だから」というわけではありませんが、造り手側の意識が、『手間をかける』から『手間を惜しむ』方へと移行しているような気がします。 手間を惜しむあまり、材料に対する精度を期待され、尚且つ、コスト的な事にも言及されます。 

少し話が逸れてしまいましたが、全体的にみると、この住宅は格式を重んじる武家住宅に近い造りをしているようですね。 



 

このように、当時の面影をロウ人形?で再現されてました(←ちょっと不気味)。 この家は明治期の建設でありながら、建築様式だけを見ると江戸期の少しグレードの高いものとなっています。 また、このような住宅の類例が少ない長崎県下においては、とても貴重な存在らしいですね。

スバラシイ…。

では。

 

 ※ブログ中の内容については、諫早市教育委員会の説明文を参照させていただいております。

2010/03/19