間取の考え方

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間取の考え方。 賛否両論はあるかとは思いますが、ちょっと一言。

まず何をメインに考えるかによって、間取りの計画も変わってくると思います。 子供の育成を第一にするのであれば、子供の生活動線が中心の間取りになります。 それが将来、2世帯での居住を考慮に入れてくるだけで、また違った間取りになります。 

一例として、ごく一般的なLDKに併設されている和室について考えてみたいと思います。 

例えば、お客さんや友人、または両親が訪ねてきたときには、たいていその併設された和室を使用しますよね。 また、ご先祖様のご仏壇などが置かれるのもたいていこの場所。 法事の際には建具を取り払って…みたいな使い方をされると思います。

しかし、限られた敷地の中で、1年のうちに数回しか利用しないかもしれない和室というのは、本当に必要なのでしょうか? 別に予算的にも敷地面積にも余裕があって、というのであれば話は違うのですが…。 仮に、予算の都合や敷地面積という制約を受けるのであれば、まず先に考慮しなければならない部屋だと私は考えます。 

この和室を優先するがために、家族が一番長い時間を共にする場所(←LDKなど)に影響してしまうのは本末転倒なこと…。 せっかく立派な和室を造っても、洗濯物干し場や納戸がわりに使用されていてはもったいないです。 というか、そのような使われ方をよく目にします。 こうなると、和室本来の用途とは異なります。

別の見方をすれば、和室というのは6帖であってもそこに押入や仏間、床の間といった付帯的要素があり、実際に和室が占める面積の割合は8帖以上となっていきます。 であれば、その8帖分をLDKに充てたり、その半分を納戸にしたりしても構わないわけです。 また、畳のスペースが欲しいというのであれば畳コーナーをLDKの一部に設けても良いのではないでしょうか…。

しかし、徒然草の一文(←以前のブログ参照)にもあるように、余分と思われる部屋を造っておくということは決して無駄だとは思いません。 そのような部屋があるだけで、心に余裕も生まれるだろうし、お客さんを招きたくもなるでしょう。 ただ、それがどのような性格をもった部屋にするかどうかは、考えなくてはなりません。 

もし仮に、その部屋に客室の性格をもたせるであれば、LDKの隣はどうでしょうか…? 客室であればその家のプライベート空間からは離すべきですし、ましてや朝一番賑やかな場所の隣…。 ちょっと難しいような気がします。

客室を設けるのであれば、なるべくプライベート空間から離れた場所、かつ、生活動線とはあまり交わらないような場所が良さそうですね。

また、その部屋が和室本来の性格を持っていて、仏壇や床の間などがある場合はどうでしょうか…? その場合、たぶん洋風であろうLDKとの連続性は途絶えるでしょうね。 ましてや外観を南欧風にして、LDKもそのようなデザインをしているのに、そこに純和風の部屋はちょっと…ですよね。

このように、間取りを考える上では、その部屋を何の目的でどのような使い方をするかを考えることが重要です。 別に和室が良いとか悪いとかではなく、本当にLDKに併設するべきなのかどうかをいろんな角度から考えるべきなのではないかと思うわけです。 間取り(←平面計画)とは、いろんな要素がかみ合って完成します。 そこには動線計画や方位、季節ごとの風向きといった、考慮されるべき重要な事項も含まれます。 それらの事項を踏まえてもなお、LDKの横に配置することが望ましいというのであれば良いと思うのですが…。

ただ単純に『4LDKの間取り』と考えるのではなく、その家に対して本当に必要な部屋を、またどのように配置すべきか、考えるべきではないかと私は思います。

イワモクでした。

では。

2010/04/27