金物などなど

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昨年暮れより工事スタートした【岩永十字堂】様新築工事。

木造軸組の仕口、継手部などに用いる金物も入りました。

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筋交の接合部には筋交プレート。
柱と胴差、土台、桁との接合部にはホールダウン金物やリトルコーナー。

その他、基礎と土台との緊結にはアンカーボルトなどなど。

現代の木造建築において、このような金物と呼ばれる構造材(木材)を接合する材料は必要不可欠になってますね。 伝統工法と呼ばれる工法の時代、木造建築において仕口や継手に使用された接合部材は「コミセン」でした。 

なかには、『金物よりコミセンの方が強い』という方もおられますが、現代の木造建築、特に住宅建築にはあまり向かないことも事実かと思います。 コミセンは、その施工者如何によって強度等が左右される部材で、しかもその仕口や継手と組み合わさって初めて強度を発揮します。 合理性、安全性などが強く求められる現代の建築においては、なかなか難しい…。 更に、プレカット(←機械により仕口、継手などを加工する)による仕口や継手には仕様が困難ですし、数字的な根拠(←構造計算等)も定かではありません。

語弊があってはいけませんので追記しておきますが、私は決して伝統工法を否定するつもりもありませんし、コミセンを使いたくないわけではありません。 寺社仏閣建築や純和風の住宅で、貫工法をする場合はもちろん使用するべきだと思います。 ただ、現代建築、特に住宅建築において言えば、予算との兼ね合い等考えるとなかなか難しいと考えるわけです。

なにげに木造建築というのは、奥が深いです。

では。

イワモクでした。

※コミセンとは、仕口や継手などが剥離、破壊しないように構造材とは違った樹種(堅木)で作った、15~30㎜角くらいの棒状のもの。 現代の木造建築の仕口、継手にはほとんど使用されないが、伝統工法や、特殊な仕口、継手には使われることはある。 しかし、金物のような工業製品と違い、施工する大工さん達の経験などにかなり左右される部材でもあります。

2011/01/08