小さく住む、ということ。

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私は別に設計について語るつもりはありませんが、ここ数年、徐々に感じてきたことがあります。 それは『自分の住む家はたぶん小さいだろうな。』ということ。 ここに特別な嗜好があって、またかっこいいコンセプトがあるわけではありませんが、なんとなく感覚的にそのように感じています。

このことを家族に言うと、『夢がない』とか『家は広い方が良いに決まってる。』とか言われます。 確かに、お城までとは言わないまでも、ごく一般的に、広い家に住むことがステータスであることは間違いないと思います。 誰もがハイグレードな設備機器とハイセンスで高級な家具で溢れる生活空間に憧れたことがあると思います。 

ここで私の感じている『小さく住む。』というのは、決してローコストで安価な設備、材料で作った家に住むわけではなくて、そこで住まう時の必要なもの(←室とか設備とかいろいろ)とそうでないもの。 どうすれば気持ちよく、円滑に生活できるか(←生活動線を細かくまとめられるか)。 そして、そこにほんのちょっとだけの嗜好(←ちょっとだけ贅沢な空間やちょっとだけ贅沢な材料など)を入れてあげる…。 などなど考えていくと、必然的にそこまで広い面積は必要なく、それなりに面白い空間になるような気がします。 

私が好きな建築家の一人、伊礼 智氏が曰く、『自分の身の丈に合わせて小さくまとめようとすることは、生きものの本来の姿なのでしょう。』と仰っています。 

私は、『小さく住む』ことが、決して『貧乏たらしい』とは考えておりません。 逆説的に考えると、小さく住む(←小さい家)ということは省資源であり、省エネです。 敷地には余白ができて緑地が作れ、環境にも寄与できる…、いわば最大のエコ住宅かもしれませんね。 それに、家族の距離もずっと近くなり暮らし自体はとても豊かになると思います。

今後は『小さく住む』事をテーマに、いくつかプランニングをしてみたいと思っております。 まぁ、あくまでも今のところは私の主観で考えるつもりです。 もちろん、具体的な土地もなければ家を建てる計画があるわけでもありませんので、いつになることやら分かりませんけど。

ただ、ル・コルビジェが湖畔に建てた両親のための家を計画した時のように、まずは建物ありきで土地を探すというのも面白いかもしれませんね。 この家に合う土地はどこだろう…なんて考えながらプランニングしてみたいと思います。

では。

イワモクでした。

2011/06/15